Vol.13 シロエリハゲワシ Griffon Vulture (Gyps fulvus)
2022.08.11
G. f. fulvus 成鳥と思われる
亜種fulvus 亜成鳥なのかもしれない
亜種 fulvus 亜成鳥なのかもしれない
<分布など>
ヨーロッパ中南部、アフリカ中北部、中東地域、ネパール、モンゴル、カザフスタンなどに分布する。日本での記録はない。非常に広い分布を持つため、個体数推定は難しい。局所的な減少が見られるが、世界的な個体数の傾向は増加しているように見えるため、この種は個体数傾向基準に近づかない。これらの理由から「低危険種(LC)」と評価されている。本種の個体数をBothaら(2017)は80,000-120,000個体と推定しているがもっと個体数がいるといわれるデータもある。19~20世紀には中東やヨーロッパ、北アフリカでは、銃殺、家畜捕食者のために仕掛けられた罠、非ステロイド性抗炎症薬(フルニキシンやジクロフェナク)などによって激減している。また、狂牛病対策なども影響している(死肉を食べるが、処理されてしまう為)。ヨーロッパではジクロフェナクの禁止などが行われたことや、ヨーロッパ8か国では増殖計画が実施されてること、滅びた国々への再導入も行われていることなどから、増加傾向にあることは確かである。
<分類>
〇 G. f. fulvus ヨーロッパから北アフリカ、アジア地域
〇 G. f. fulvescens アフガニスタンからインド
の2亜種に分けられている。色味の違いは今のところ調べていないので、後日更新する予定
<渡り>
個体群はほとんど渡りを行わないが、少数派渡りを行う。スペインのジブラルタル海峡などでは少なからず確認されている。
<飛翔形>
典型的なハゲワシの飛翔系。次列風切の枚数が多すぎるために、通常のワシタカとは違う印象を受ける。翼が大きく、頭は剥げているため、見間違えることはない。