Vol.29 オナガイヌワシ Wedge-tailed Eagle(Aquila audax)
2024.08.18
<分布など>
オーストラリアおよびパプアニューギニアの一部に生息する。この種は生息域が非常に広いため、生息域の広さの基準では絶滅危惧Ⅱ類(Vulnerable)の閾値に達しない。7,680,000km²の範囲に推定10万羽が生息している。個体数は増加傾向にあるとされることが多いが、射殺、捕獲、意図的な毒殺、生息地の破壊などにより個体数は減少していると考えている研究者の方が優勢である。これらの理由から、この種は「低懸念(Least Concern)」と評価される。腐肉を好み、交通事故死したカンガルーやワラビー、羊、ダチョウなどを食べる。その為、二次被害で交通事故死する例がある。亜種<i>A. a. fleayi</i>は1999年、環境保護および生物多様性保全法により絶滅危惧種に分類された。彼らの食餌に占める羊の割合は3%以下であり、捕食する羊の99%は腐肉であるという調査結果があるにも関わらず、羊にとっての脅威とみなされている。
<分類>
〇 A. a. audax パプニューギニアの一部とタスマニアを除くオーストラリアに分布する。
〇 A. a. fleayi タスマニアに分布する。
<渡り>
幼鳥が巣から856km移動した事例がある。干ばつ状況下では個体群が大きく移動することがある。
<飛翔形>
Fingersが7枚。大きさや動きはGolden Eagleと似ている。尾羽は中央寄りの羽根が長いため、長く見える。