Vol.36 カザノワシ Black Eagle(Ictinaetus malaiensis)
2025.12.29



<分布など>
マレー半島、インドネシア、マレーシア、台湾、中国南東部、ベトナム、カンボジア、タイ、スリランカ、インド、ネパールなどの山岳地に分布する。東南アジアの森林地帯に分布域を有する。個体数の減少傾向は続いているようだが、その減少は「絶滅危惧 II 類」に達するほど急速ではないとしている。これらの理由から、この種は「LC(低懸念)」と評価されている。
世界全体の個体数は約 1万~10万羽と推定されている(Ferguson-Lees et al. 2001)。一方、中国国内の繁殖ペア数は 100ペア未満で、台湾では100~10,000 ペアと推定されている(Brazil 2009)。森林分布に大きく依存しており、過去3世代の間に、その生息域内の樹木被覆率は 18.3% 減少したと推定されている(Global Forest Watch 2022、Hansen et al. 2013)。従って、この森林被覆率の低下により、同期間にこの種の個体数が 1~19% 減少した可能性があると推測され、その減少率は 15~19% と推定されている。

Source: BirdLife International (2025) Data Zone. Retrieved from http://datazone.birdlife.org
<分類>
2亜種に分類される。分類はかなり古い。
〇 I.m.perniger
主にインド、ネパール、ブータン、スリランカに分布する。 基亜種よりも小さいとされる。
〇 I.m.malaiensis
マレーシアから中国南部(ベトナム、タイも含まれる)、ミャンマー、インドネシアの島々、台湾などに分布する。
<渡り>
渡りをすることはほとんどなく、留鳥性が高く、漂行的な移動が多いと考えられている。台湾では北部の個体が38㎞移動する事例が観察されている。これを渡りと呼呼ぶのは難しい。また、ヒマラヤ地域では標高4000m付近の個体群が南下、中国でも周辺地域に広がる行動が見られる。
<飛翔形>
指状部(Fingers)は7枚である。翼先端部の翼幅が広くて、独特の飛翔形をしている。行動的にはトビに近い。
<がりメモ>
突然現れ、黒いからいつも色が出ない・・・ちゃんと撮影したいものだ。