世界の猛禽類

Vol.7 レッグクマタカ Legge’s Hawk-eagle (Nisaetus kelaarti)

2022.02.07

スリランカで撮影 若干首が長く感じる程度で日本のクマタカと変わりはない

スリランカで撮影 多少嘴がごつく見える

スリランカで撮影 幼鳥。尾羽の暗色帯が細いこと、本数が少ないことが違うのかもしれない

<分布など>
スリランカ、インド南西部に生息する。レッグクマタカとしての減少評価は今現在文献はないが、今後3世代の間に森林被覆面積が20%が減少すると考えられていて、それと同等の減少が示唆されており、「準絶滅危惧(NT)」とされている。個体数の推定 Gjershaug (2006)は総個体数を繁殖個体数2,500未満と推定している。2,110 ha当たり1ペアという個体数密度の推定値(Thiollay 1993)と、西ガーツ山脈のこの種の範囲内に残る熱帯雨林の面積20,000 km²という推定値(Collins et al.1991) に基づき、Gjershaug (op cit.) はその地域に約1,000組が存在する可能性を推定している。スリランカでは、1995年に適切な熱帯雨林の残存面積が2,135 km²と推定されたが(Legg and Jewell 1995)、それ以降確実に減少している。このため、Gjershaug (op cit.)はスリランカの個体数をおそらく100ペア以下と推定している。IUCNレッドリストではMountain Hawk-eagleとして扱われているため(種分化されていない)、「純絶滅危惧(NT)」としている。

 

<分類>
クマタカ Nisaetus nipalensis (Mountain Hawk Eagle)の亜種kelaartiとして扱われていることが多いが、近年になって別種として扱われるようになった (Haring et al. 2007; Gjershaug et al. 2008)。その為、亜種記載はない。

 

<渡り>
留鳥性が強く渡らないか、インドと行き来している可能性があるのかもしれない。

<飛翔形>
日本で見られるクマタカと大きな違いはない。やや下雨覆が暗い色をしている点、暗色帯が細めというくらいの印象。最も違う点は長い冠羽を持つこと、嘴や後爪がクマタカよりも長いことなどが特徴だが、日本以外のクマタカでもそのような個体がいる為に識別点にならないと考えている。成鳥、幼鳥ともに日本のクマタカと似た声で鳴くが若干違う。