世界の猛禽類

Vol.3 カタグロトビ Black-winged Kite (Elanus caeruleus)

2021.10.20

亜種hypoleucus 翼の先から翼の後縁ラインはなだらかに湾曲する

 

亜種hypoleucus 眼は赤く、アイシャドウが黒い為にカッコよく見える

 

亜種hypoleucus 上面から見ると肩が黒いことで英名や和名が付けられているのが理解できる

ヨーロッパの亜種caeruleus 違いは良くわからない

 

<分布など>
アフリカ中南部、部の一部、エジプト、スペイン、フランスの一部、インド、スリランカ東南アジア諸国、パプラニューギニアに分布する。中国南東部や台湾にも分布するが、台湾の個体群は移入かもしれないと考えられている。日本では沖縄県の石垣島で2016年に初めて繁殖活動が確認され、2017年3月には幼鳥の巣立ちが確認された。それ以降毎年繁殖活動が確認されており、数巣番が年に3回程度繁殖行動を行っている。総個体数は10-20あたりで推移していると考えられている。また、石垣島以外でも確認例がある。また、台北で個体数が増加していることから、その個体群が移動してきたのでは?と言われている。分布域が広大であること、個体数の増減が多い地域があること、全体的な個体数が多いことから個体数推定がされていない。その為に個体数減少が推定されていない。これらの理由から「低危険種(LC)」とされている。

<分類>
ヨーロッパ、アフリカ、エジプトは亜種caeruleus、パキスタンから中国、東南アジアは亜種vociferus、スンダ列島、フィリピン、インドネシア、ニューギニアは亜種hypoleucusとされる。日本産鳥類目録第8版においては、亜種hypoleucusと記載される予定となっている。

<渡り>
ほぼ渡りをしない種である。中東では渡り鳥として記録されているが、定期的な移動は認められていないという。高山から低地まで生息していることや個体数の増減があることから、漂行的な動きをしているのではないかと考えられている。

<飛翔形>
飛翔形は日本のトビとは大きくかけ離れており、どちらかというとハヤブサ科の様に翼が尖る。Fingersは数えて良いのか良くわからないくらいの見え方をする。強いて言うならば3枚かもしれない。ホバリングを良く行い、降下したり上昇したりを繰り返しながら移動したり、探餌を行う。遠方をを飛翔していると波状しているように見えたり、ホバリングしたりするので、日本で鷹を見ている人にとってはしっくりこない動きに感じる。チョウゲンボウの仲間よりも海ワシ類の方が飛翔形は近いと思う。

<がりメモ>
東南アジアどこに行っても見かけるのでもう、特別感は無くなった気がするけど、顔立ちは歌舞伎?みたいな色合いをしている。ホバリングからの狩りが上手く、獲物を食べている姿をよく見かける。