Vol.10 ヨーロッパノスリ Common Buzzard (Buteo buteo)

2022/05/10 (火)

幼鳥と思われる。虹彩は黄色みが強く、羽根はとがっている。黒いのがよくわかる

幼鳥と思われる。虹彩は黄色みが強く、羽根はとがっている。黒いのがよくわかる

飛翔形自体は日本のものとかわらない。しかし黒さが目立つ

飛翔形自体は日本のものとかわらない。しかし黒さが目立つ

成鳥と思われる。下大雨覆や体は黒くべったり黒褐色

成鳥と思われる。下大雨覆や体は黒くべったり黒褐色

<分布など>
 ヨーロッパ中央部から北欧、ロシア西部中央アジアにまで繁殖地があり、かなり広大な分布を誇る。ヨーロッパでは基本的に留鳥として見られ、北欧やロシア西部、中央アジアのものはインド、アフリカ中南部に渡って過ごす。個体数が多く、安定しているように感じられるため「低危険種(LC)」とされている。ヨーロッパでは176万~246万羽の成熟個体数がいると推定されている。生息域の面積の75%をヨーロッパが占めることから、全体で203万~346万羽が生息していると推定されている。ヨーロッパでは増加傾向とされているがはっきりしない。

<分類>
 分布域が広く、島嶼を中心に6亜種に分けられている。本種は2008年に種分化され、シベリア、モンゴル、日本にいる分布するノスリ(Eastern Buzzard)とヒマラヤ周辺に分布するヒマラヤノスリ(Himalayan Buzzard)が種分化された。日本産鳥類目録第7版では、ヨーロッパノスリの亜種とされていたが、第8版においては種分化される予定である。

〇    B. b. insularum スペインのカナリア諸島およびポルトガルのアゾレス諸島に分布。

〇    B. b. harterti ポルトガルのマデイラ諸島に分布。

〇    B. b. pojana フランスのコルシカ島、サルデーニャ島、シチリア島、イタリア中南部に分布

〇    B. b. buteo 基亜種。ヨーロッパ北部からフィンランド、ルーマニア、トルコまで分布。

〇    B. b. menetriesi トルコ東部からコーカサス地方を経てイラン北部に分布。

〇  B. b. vulpinus ヨーロッパ北東部から中央アジアに分布。


<渡り>
 ヨーロッパの個体群は留鳥でほとんど移動しないが、漂行的な移動をする個体も少なからずいる。移動するものは南ヨーロッパやアフリカに渡る。東ヨーロッパや中央アジアの寒冷地のものは、繁殖個体群は渡りを行う。ほとんどはアフリカ中南部に渡るがインドに渡るものもいる。渡りの時期はは8月から11月の間とされ、2月から5月の間に繁殖地に戻る。半島や狭い海峡を渡る際には大きな群れを形成する(Brown他、 1982, Snow and Perrins 1998, Ferguson-Lees and Christie 2001)。

<飛翔形>
 指状部の分裂は5枚と少ない。とても翼が丸みを帯びる。胴体が太い。黒い個体が多く、日本産のものがやたらと白く感じる。